榊について

日本の神事において欠かせないのが、 玉串に象徴される 「榊」ではないでしょうか。 今、私たちは榊といえばモッコク科の常緑小高木である「サカキ」を指しますが、「さかき」の語源は昔から国学者や草本学者によって様々に論じられてきており、 必ずしも今のサカキだけが「榊」ではなかったようです。
「榊」の語源を大きく分類すると
① 「栄樹」の意味で常緑樹の総称
② 「小香木」で香ばしい常緑樹の意味
③ 「境木」で神域に植えられた木で、 常緑樹か落葉樹かは問わない
という3つの説になります。
現在の「サカキ」は、 ①の代表樹種として最終的に残ったものと考えられます。 しかし、 私達の周辺で「サカキ」として用いられているものの多くは 「ヒサカキ」 のようです。 サカキとヒサカキの見分け方ですが、 サカキの葉には鋸歯(葉の縁のギザギザ)が全くありませんが、 ヒサカキには鋸歯があるので区別がつきます。
神事にサカキを使うかヒサカキを使うかは、それらの生育地が大きく影響しているようです。 サカキは関東地方南部以西であるのに対し、 ヒサカキは東北地方中部以西に分布しており、 関西地方では「サカキ」 を用いるのに対し、関東以北では「ヒサカキ」 を用いるのが一般的のようです。
これらの榊を入手するに当たっては、 お花屋さんやスーパーの花売り場で購入することが多いのではないでしょうか。しかし現在、日本で販売されている榊の8割は中国から輸入されたものとのことです。
ところで、郡山周辺の森林を散策しても「サカキ」や「ヒサカキ」 に出会うことはほぼ不可能ですが、神社の境内に植えられていることが多いようです。 神社にお参りに行かれた時にでも探されてみては如何でしょうか。 二つの樹種に出会えるかも知れません。