ザクロ

ザクロはミソハギ科 ザクロ属の落葉小高木ですが、暖かい地方では常緑とのこと。 原産地は西域(ペルシャ、現:イラン) 付近で古くから世界各地に伝わり、日本へは平安時代にシルクロードを越え中国経由で入ってきたとされています。 写真のザクロは開成館の正門脇のものです。 現在は臨時休館中のため近づくことは出来ませんが、 正門の外から覗き見することは出来ます。
世界に伝わったザクロは、古代都市カルタゴでは 「カルタゴのリンゴ」 と呼ばれていたそうです。英名は 「ポメグラネット (Pomegranate: 種子の多いリンゴ)」、フランス語ではグレナディエール(Grenadier)、ドイツ語ではグラナッタフェル (Granatapfel) です。 これらはいずれも「漿果」を意味するラテン語“granum" の影響を受けていると考えられています。 なお、 スペイン語のグラナダ(granada) はザクロの実を意味し、 都市の名にもなっています。
それでは、中国ではなぜ「石榴」と名付けたのでしょうか。 これには幾つかの説がありますが、筆者が最も納得するのは「ザクロス山脈」説です。 ザクロス山脈はペルシア湾の東方にあり、 今でもザクロのプティチョウケンばんりょくそうちゅうこう産地で、前漢の武帝の命を受けた張騫が西域から帰国した際に、変わった形をした果物を持ち帰り、この果物名をザクロスの発音に近い 「石榴」 としました。 現在の中国における 「石榴」 の発音は「シイ・リュウ」ですが、古い時代の発音(呉音) では 「ジャク・ル」で、日本では「ザクロ」と変化したとの説です。
「紅一点」 という言葉をご存知と思いますが、 これは王安石の 「石榴」 を詠んだ詩 「万緑叢中紅一点」の一節で、初夏に咲く鮮紅色の花を指しています。 ザクロの花は 咲くと間もなく大半が散ってしまいます。 木の下に落ちた花の様子を見れば、誰もが 「タコさんウインナーが落ちてる」 と思うことでしょう。
さて、ザクロの実はそのユニークな形状や味、優れた薬効などから世界各地で様々な「神話」
「言い伝え」 「吉凶の考え方」 「利用法」 等があり、 とても興味深い樹木です。 例えば「鬼子母神と
「ザクロ」は、日本では良く知られているお話です。


