アスナロ(ヒバ、アテ)


開成山大神宮神楽殿の裏に3本のアスナロが植えられています。この木は、やがて神殿の重要な柱となる事でしょう。
アスナロはヒノキ科の常緑針葉樹で、樹高は30mに達するものもあります。特徴としては、葉はヒノキ科の中で最も大きく、厚く、裏側は白い模様が目立ちます。日本全国に分布し「ヒバ」「アテ」 「アスヒ」など50近い別称がありますが、福島県の方言名は、葉裏の特徴から「シロビ(白)」と呼ばれています。なお、アスナロの変種として「ヒノキアスナロ」がありますが、その違いは球果の形状のみで、一般に「アスナロ」と区別していません。 なお、林業界では両者を「ヒバ」で統一しているそうです。
「アスナロ」の語源ですが、最初は葉の状態から「あつはひの木(厚葉)」と付けられましたが、発音の誤解から「あすはひの木(明日は)」とされ、この木に対する無知から「明日は檜になろう」と解釈され、檜が省かれ「あすならう」となり、現在の「アスナロ」になったと考えられています。
清少納言は「枕草子」 の中で「あすはひの木」を取り上げ、命名者にその理由を尋ねてみたるような理屈に合わない変な名前だ、と書いています。また、松尾芭蕉は紀行文「笈の小文」の「日は花に暮てさびしやあすならふ」という句を載せています。井上靖の「あすなろ物語」を読会たことがありますか、この小説の重要なテーマとして「あすは誰になろうと一生懸命考えている本でも、永久ににはなれないんだって!それであすなろうと言うのよ」があります。
以上は何れも「アスナロ」は「ヒノキ」より劣る樹木としていますが、アスナロの樹形は非常に美しい円錐形で、ヒノキに比べ「耐寒性・耐陰性・耐水性」等生育環境において、また「木肌の緻密さ・防腐性・防虫性」等材質においても勝るとも劣らず、「明日はヒノキになろう」とは思わず、寧ろ「明日は己の個性を生かし、よりよい木に成ろう」と頑張っているはずです。頑張れ「アスナロ」!!