イチイ

イチイは日本全国に分布するイチイ科の常緑針葉樹。雌雄異株の高木で、その端正な樹形から庭木や生け垣などに用いられています。 郡山市民文化センターの正面玄関脇に一本のイチイの木が颯爽と立っていますが、 10月には赤い実を付けますから雌株です。
なお、郡山市指定天然記念物として「高井神社のイチイ (湖南町三代)」「夏出の大キャラ ( 逢瀬町夏出)」 「日和田のイチイ (日和田町背戸)」が指定されて居り、麓山公園、21世紀記念公園、開成館等でも庭木として植えられたイチイに出会うことが出来ます。なお、夏出の大キャラは実はイチイで、令和3年2月の地震で倒伏しましたが、現在も鉄パイプの支柱で支えられ、頑張っている姿を見せています。
ところで、イチイの名の由来ですが、その昔、笏 (聖徳太子が持っている細い板)を作るに当たっしゃくくらいやまて飛騨の位山産の 「ある樹木」を用いた笏が最も優れていたので、材料と成ったその木の名を「一位」 と名付けたとの説があります。 また、地方によりいろいろな名で呼ばれており、主なものとしてはアカギ スオウ、アララギ、 シャクノキ等があります。 東北地方では主に 「オンコやオッコ」呼ぶことが多い様です。
これらの語源ですが、 「アカギ」は材の芯が赤いから。 「スオウ」は蘇芳で飛鳥時代に赤紫の料として輸入していた蘇芳という樹木の代用として用いられたから。 「シャクノキ」は笏に使ったから。「アララギ」はアイヌ語から。 「オンコやオッコ」はアカギが変化したもので、その流れは (アカイ)ギッコ アッコ→オッコ オンコ) と変化したもの。 等の説があります。イチイは針葉樹には珍しく秋には赤い多肉質の実を付けます。 この赤い部分は「仮種皮」と呼ばれ、甘くて食べられますが、これに包まれた黒い種子にはタキシンと呼ばれる猛毒が含まれますから、絶対に口にしないでください。 なお、イチイの葉や枝も有毒と言われています。