クヌギ

荒池公園の堤に樹高約20m、地上1.3mの所の幹回りが2.6mのクヌギが1本立っています。この木はクヌギとしてはかなりの巨木で、樹勢は旺盛、樹形も実に端正です。
クヌギはカブトムシやクワガタ等、 子ども達にとって魅力ある昆虫が集まる木として知られていますが、これは材内に生息するボクトウガなどの幼虫が樹皮に穴を開け、その穴から樹液を出している木に限られます。 従って、このような被害が認められない荒池公園のクヌギの周りでは、カブトムシなどを見つけることは困難と思います。
筆者がクヌギの名を耳にしたのは小学校低学年の頃と思いますが、このクヌギは樹木の名ではなく、木炭としての 「クヌギ」でした。
昭和30年代半ば頃までは、一般家庭の炊事や暖房用の燃料として木炭が極めて重要な位置を占めており、クヌギ炭やナラ炭の名は日常的に耳にしていました。 しかし高度経済成長期以降、木炭は使い勝手の良い電気、灯油、ガスなどの代替燃料に取って代わられ、木炭と共に 「クヌギ」の名も一般家庭からすっかり消え去ってしまった感があります。 しかしながら、 SDGs等で再生
可能エネルギーの必要性が叫ばれる昨今、 クヌギの再登場があるかも知れませんネ。
さて、クヌギの語源ですが、クヌギの果実 (ドングリ) は縄文時代より食用にされていたことから「食の木」、葉の形がクリに似ていることから「栗似木」、景行天皇が筑後国で見た巨木に「国の木」と名付けた、 韓国語に由来する等諸説がありますが、材は薪炭材として、ドングリの皮や樹皮は染料として、更に椎茸栽培の原木として、古来より日本人の生活を支えてきており、正に「国の木」 と言えるのではないでしょうか。
ところで、クヌギとクリの葉の違いについてですが、 クヌギの葉の鋸歯先は褐色であるのに対し、かくとクリは緑色をしています。 また、クヌギのドングリは丸く、殻斗(帽子・はかま・お椀などと呼ばれる部分) はアフロヘアーを思わせる、実に可愛らしい形をしています。