街の灯こおりやまから 編集長 藤村和賢
季節の恵みを楽しみつつやらなければならぬ事をやる
毎日どこかで見たり聞いたりする「異常気象」とか「温暖化」という言葉。確かに日常の様々な場面で、あれ?去年の今頃とは違うなという変化を実感しています。例えば梅雨、いつ入っていつ明けるのやら6月中旬になってもはっきりしまん。また、大粒で人気のある会津の高田はかつてない程の不作とか。ところが、我が家の梅は例年にない豊作でした。数10年前、長女が幼稚園を卒園した時に園からプレゼントされた記念樹で、軒先きに地植えして今に至ります。植えてからは、年に一回くらい伸び過ぎた枝を適当に切る程度で、施肥や消毒など手入れらしいことは何もしていないのに、元気に繁ってたくさんの実をつけてくれました。店頭に並ぶような立派なものではありませんが、それでも嬉しくなって家族で収穫を楽しみました。
さて、この梅の実をどうするか。手元のレシビ本を見ると、梅干し柿江村などをはじめ多種多彩な調理法や保存食が紹介されていて、その幅広さと奥深さに感心するばかり。同時に、日本人の食べること”に対する感性の豊かさも感じました。
それはさておき、我が家の場合は知識と経験と所要時間とを考えて、梅酒にするのが妥当な選択ということになりました。そう言えば、何年か前に作ったものがあって熟成したはず。暑い日の終わりにオン・ザ・ロックで飲もう。 楽しみがひとつ増えた思いです。
ところで最近のことですが、世界規模で取り組もうとしている温暖化対策に関して、反対というか疑問を呈する言説を知りました。デンマークの政策シンクタンクの代表で、政治経済学者のビヨルン・ロンボルグという人の意見です。下手に引用して誤解を招かぬよう、私なりに読み取ったことだけを書きます。要するに、現在の科学技術では温暖化を止めることは出来ない。だから何もするなとは言わないが、費用対効果を考えて賢明な策を取るべきだ。その一つがグリーンエネルギーで、研究開発を進める必要がある。世界が解決しなければならない問題は他にもある。貧困や飢餓、感染症、教育など。気候対策もその一つだが、他の課題に投資した方が大きな成果が期待できる。 温室効果ガスを実質ゼロにするための過大な投資は、失敗するだけでなく他の課題の解決を遅らせるから、達成可能なことから取り組むべきだ。おおよそ、このようなことだろうと理解しました。
なるほど、こういう考え方もあるのか。今の時点で有効な解決法がある課題を優先し、同時に温暖化対策に役立つ技術の研究開発も進める。様々ある課題を出来るだけ早く解決するための、現実的な考え方と言えそうです。
しかし、です。そうかもしれませんが、気候変動に関する各種のデータや専門家の分析などから、地球の環境は回復不能になりかねないほど危機的状況にあるとされています。
国も企業も目先の利益・不利益にとらわれず、今と将来を生きる人々のためにやるべきことをやる、と決断して欲しいものです。
そして、個人のレベルでも出来る事はあります。たとえばゴミの分別や減量です。
2022年度に県民一人が一日当り出したゴミの量は1021グラムで、全国最多ワースト1です。でも、一人が毎日100グラム減
量すれば、全国平均に近づくそうです。バナナ1本の皮は約50グラム、生ゴミの7~8割は水分ですからそれを減らすだけでマイナス100グラムです。これくらいなら誰にでも、すぐに実行できるのではないでしょうか。自分ひとりがやっても、ではなく。自分ひとりくらいやらなくたってでもなく。一人ひとりの思いと行動が問われているのです。自分の行動が地球環境の保全に役立つと思えば、やる気も出てくるのではないでしょうか。
その気になって身の廻りを見れば、ゴミ以外にも出来そうなことに気付くはずです。そうして一つから二つと実践を増やしていけば、あなたも立派な環境保護の活動家です。


