ユズリハ

お正月のしめ飾りや鏡餅に、どう言う訳か付いてくる 「ユズリハ」について書いてみます。
「お正月さまがござった」と言うわらべ歌をご存知でしょうか。 昔、 全国各地で歌われていたようですが、地方により歌詞はかなり異なるようです。 例えば、 郡山市発行の『郡山の民謡・わらべ歌』の中に富久山町福原で歌われた歌詞が載っています。 その歌詞は 【お正月さまござったどこまでござった村までござった何に乗ってござったゆずり葉に乗ってゆずりゆずりござった】ですが、 他の地方の歌詞にも必ず 「ゆずり葉」 が入っています。 いずれにしろ、 その昔お正月を迎えるのに
「ゆずり葉」は不可欠だったようです。
このようにゆずり葉がお正月に必要とされたのは、 「ユズリハ」の語源とされる 「新葉が揃うまで古葉が落ちず、新旧の葉が着実に入れ替わる様子 (ユズルハ)」から、円満な世代交代や子孫繁栄を託したと言われています。 ただ、こうしたことはユズリハだけの特性では無く、多くの常緑樹が持つ性質であり、ユズリハと言う名前のインパクトが 「世代交代」の印象を強くしているように思われます。なお、ユズリハの語源として「太めの葉脈を弓弦(ゆづる = 弓に張る糸)に見立て弓弦葉 (ユズルハ)と命名した」という説もあります。 筆者の独断ですが、 最初に 「弓弦葉」 と命名され、いつしか「譲葉」 に変化したのではないかと考えています。なお、「ユズリハ」はユズリハ科の暖地性の樹木で、 福島県内の自然分布は浜通りに「稀に生育」とされていますが、 会津地方や中通り地方の山林には多雪地帯に適応したユズリハの亜種である「エゾユズリハ」 という常緑低木が生育しています。
ところで、カシワやクヌギという木をご存知ですか。 これらの木の葉は秋には枯葉となりますが、冬期間に落葉することは無く、 春が来て新しい芽が吹くと落葉します。 落葉樹は落葉樹なりに、秋にしっかりした冬芽を育て葉は散ります。 いずれもお互い納得した世代交代が出来ているようです。
我々も形にとらわれず、思い遣りのある世代交代をして行きたいものですネ