サイカチ(別名:カワラフジノキ)

サイカチという木をご存知でしょうか。 サイカチはマメ科の落葉高木で、 かつては石鹸の木として身近に植えられていたそうですが、 化学的に石鹸が造られるようになった現在ではほとんど目にすることが無くなりました。 私が知っているサイカチの木は「田村神社 (守山) の下庭」と「湖南町中野郵便局の前」に立っている2本だけです。
トゲサイカチの最も特徴的な点は、 何と言っても強烈な「棘」 と長さ30cmにも及ぶ黒褐色で螺旋状トウカ
の大きな豆果でしょう。 トゲのある木としてはバラ、カラタチ、ユズ、ニセアカシア、タラノキ等がありますが、サイカチは日本における棘のある樹木の王様と言えます。
田村神社のサイカチは遠目からは優しい姿をしていますが、近づけば近づくほど危険を感じさせます。 ほとんどの獣はこの木に登ろうとは思わないでしょうし、 鳥たちも余程気を付けてとまらないと痛い目に合うことでしょう。 但し、カブトムシやクワガタはこの木の樹液を好み、 カブトムシをサイカチムシと呼ぶ地方もあるとのことです。
サイカチを漢字では息莢と書きます。 これは中国に自生するサイカチに付けられた文字で「ザオ・ジア」と発音しますが、 自は黒、 莢は豆の鞘を表します。 なお、 日本のサイカチは中国の樹木図「鑑では 「日本皀莢」と命名されています。 ところで、サイカチの豆果 (莢) は中国でも昔から洗剤として盛んに使われ、「皀」と言う文字は石鹸を表す 「肥皀 (フェイ・ザオ)」、 サポニンを表す「皀素 (ザオ・スウ)」 などに用いられています。
ともあれ、 「樹木大図説: 上原敬二著」 にサイカチの莢を絹織物の洗剤として使う方法について「莢を細にきざみ水1.5升 (2.7ドア) の割合で煮、 その汁を冷やし、 使用前にかきまぜ泡立てば利目あり、刷毛洗いがい。」とあります。 興味のある方はこれを参考に試してみては如何でしょうか。