オニグルミ

「オニグルミ」は日本各地に分布する落葉広葉樹ですが、この樹の実 (核果)は縄文時代以来
食用として大切に扱われて来ており、 民家近くに植栽された名残りもあるようです。
日本在来のクルミの仲間としてはオニグルミ(変種のヒメグルミを含む)、サワグルミ、ノグルミがありますが、食用の対象になるのはオニグルミのみで、 以前は単に「クルミ」と呼ばれていました。
しかし江戸時代以降、テウチグルミ(カシグルミ)やペルシャグルミが渡来し、 各地で栽培されるようになり、それらと区別するために、 核果が他のクルミに比べ極めて堅く、皺のある形が鬼に似ていることから、 頭に鬼を付けて「オニグルミ」 と名付けられたとのことです。「クルミ」の語源は、 ① クルクル回る実から。 ② 中国の呉の国から渡来し 「呉の実」から。 ③ 「黒実」から。 などがあります。 私見ですが、 ① は 「回してみても、それ程回らない」、②は「縄文時代から親しまれており、 中国から渡来する以前に日本独自の名前があったはず」で、①と②の説には納得しかねます。 これに対し③は 「クルミの仮果及び核果」 は熟すると、 種皮に含まれるタンニンにより真っ黒に変色し「黒実」になりますから、「クロミからクルミに」との説が最も納得が行きます。
オニグルミは雌雄同株の風媒花で5~6月に咲きます。 しかし、木によって雌花と雄花の咲く順
序が異なります。 これは自家受粉を避ける知恵なのでしょう。極めて堅いオニグルミを食糧に出来るのは人間の外、 野生動物でニホンリスとアカネズミ位です
が、これらの動物の食料になる事で子孫を残すことが出来ます。 彼らは食べきれなかった種子を
地中に貯蔵するのですが、 その種子が発芽して成長するチャンスを得ます。このような種子の散布形式を貯蔵散布と言います。 ところで、ニホンリスとアカネズミのクルミの食べ方に違いがあります。ニホンリスは筋に沿って真っ二つに割って食べますが、 アカネズミは穴を開けて食べます。なお、写真のクルミ(核果) は舞木の里山の小さな祠の近くに数個落ちていたものを拾ってきたものです。